9.7インチの中華タブレットX98 Plusが来たので適当に使っていて電源管理をしないとウチで使っていてもバッテリー切れになることがあって、
ちょっと困ったのでどの充電器(USBアダプター)とUSBケーブルが急速充電できるのか試してみました。
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- 急速充電できる充電器とケーブルの組み合わせ検証・電圧を上げて超急速充電 Quick Charge 2.0と3.0について勉強してみた(現在このページにいます)
- 急速充電できるものとできないもの
- Nexus 6 充電器
- Teclast X98 Plus 充電器
- Sony製 デジカメ(多分)充電器
- Apple iPad用(多分) 充電器
- BUFFALO BSIPA19 充電器
- NTTドコモ HW01 充電器
- 電流の流れないUSBケーブルを使うと
- どの充電器が効率よく急速充電できるか
- Quick ChargeはQualcomm社Snapdragonシリーズの急速充電技術
- Quick ChargeはQualcomm社Snapdragonシリーズの急速充電技術
- Quick Chargeとは
- Quick Charge 2.0の対応SoCとスマホ
- Quick Charge 3.0の対応SoCとスマホ
- Quick Charge対応製品を買ってテストします
急速充電できるものとできないもの
現在うちには大きな電力を消費するタブレットが最近来たTeclast X98 Plusしかないのでコレで実験します。
スマホやタブレットを充電する機器としてはUSBアダプター(充電器)とUSBケーブルがありますが、この2つの組み合わせによっては急速充電にならない場合があります。
USBは電圧5Vと決まっていて、違いは電流で急速充電かそうでないかを判断できます。
パソコンのUSBを使った場合
USBアダプターを使わないでパソコンからUSBケーブルを接続して充電した場合、
- USB2.0:最大0.5A
- USB3.0:最大0.9A
- USB3.1:最大3A(Type-C)
USB3.0に接続すればある程度速く充電できそうですが、タブレットなど画面が大きい端末ですと消費電力が大きいため充電しながらでも使用するとバッテリーは減っていくことになりそうです。
現状ではタブレットをパソコンで充電する場合は最大で1Aしか出ないので急速充電できるとは言えないと思います。
スマートフォンの場合は急速充電用のUSBケーブルを使って1A出れば急速充電充電できます。ただより速く充電したい場合はやはり1A以上でる充電器から充電したほうが速く充電完了します。
USBケーブルは2種類ある
USBケーブルには、パソコンと通信できるUSBケーブルと充電のみができるUSBケーブルがあります。
- 通信用USBケーブル:パソコンと通信できて充電もできる。急速充電できるケーブルもある。通常のスマホに付いていたケーブルは急速充電できない物が多い。
- 充電用USBケーブル:通信できないが、急速充電できるケーブルもある。急速充電できないケーブルもあるので注意!
USBアダプターを使った場合
やはりコンセントからUSBアダプターを介して充電したほうが速く充電完了できます。
- 1A以上出る急速充電用USBアダプター:3Aまで出るUSBアダプターもある
- 1A以上流れるUSBケーブル:急速充電用は2.4Aまで流れるケーブル
最大3Aまで電流が流れるUSBケーブル
スマートフォン・タブレットに接続するUSB端子の形状は、現在はほとんどMicroUSB(Micro-B)コネクタになっています。(最近はNexus 6P,Nexus 5XなどUSB3.1規格のType-Cコネクタも出てきました。)
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2.4Aまで出力するUSBケーブルアダプター
このようなUSBケーブルとUSBアダプターを使うと急速充電できます。
また、大容量の電流が流れるとスマートフォンを壊してしまう恐れもありますが、最近のスマホ・タブレットは大電流を遮断するシステムがのであまり心配ないと思います。
電流測定実験開始
それでは、自宅にあるアダプターを使って実際にどのくらいの電流が流れるか実験してみます。
各種充電器をコンセントに刺してケーブルはNexus6に付いていた大容量流れるUSBケーブルを使います。
充電される側は、9.7インチの中華タブレットTeclast X98 Plus(以下、中華パッドと呼びます。)を使います。
Teclast X98 Plusについてはこちらでレビューしました。
Nexus 6 充電器
充電器に「ターボ電源」と書いてあります。
- 標準出力:5V,1.6A
- ターボ1出力:9V,1.6A
- ターボ2出力:12V,1.2A
ターボ1と2は何に使うのか?分かりません。もしかしたら他の12V対応のタブレットとかに使用するのかもしれません。
- 最大電流:1.6A
- 電流実測値:約1.88A
1.8Aでれば急速充電できてると言えそう。
Teclast X98 Plus 充電器
今度は中華パッド純正のUSBアダプターを使ってみます。
こちら、日本でも使えるコンセントの形状で100V対応していますので日本で普通に使えます。
中華パッドは中国のコンセントの場合もあるのでプラグ変換しないと使えない場合もあるので気をつけましょう。
- 最大電流:2.5A
- 電流実測値:約1.64A
Nexus 6用の充電器より少ない数値です。
この充電器が一番高出力だと思いましたがそうでもなさそう。(中華アダプターだからか?)
Sony製 デジカメ(多分)充電器
Sonyのサイバーショットに付いていたUSBアダプターだと思いますが詳細不明です。
- 最大電流:1.5A
- 電流実測値:約1.63A
なかなか健闘してます。
Apple iPad用(多分) 充電器
Amazon.co.jpでApple iPad純正のUSBアダプターと書いてあったので買いましたが本当かどうかは不明です。
ただ、Apple純正のUSBアダプターの重量感と質感なので多分純正だとは思います。
- 最大電流:2.1A
- 電流実測値:約1.41A
1.5A以上でてほしかった。
BUFFALO BSIPA19 充電器
USBが2口付いていて合計3Aまで電流が流れるUSBアダプターです。
合計で3Aなので1つでどのくらい出るのか試してみます。
- 最大電流:合計3.0A
- 電流実測値:約1.33A
どうやら片方のUSBにつき最大1.5Aしか出ないようです。
NTTドコモ HW01 充電器
どのスマホ・携帯電話に付いていたUSBアダプターか分かりませんが家にあったのでテストしてみます。
- 最大電流:1.0A
- 電流実測値:約1.16A
急速充電用のUSBアダプターでは無いので健闘してるほうかと思う。
電流の流れないUSBケーブルを使うと
スマホや携帯電話のオマケなどで付いているUSBケーブルはもしかしたら電流があまり流れないタイプで急速充電できないですね。
たいていは出力電流が最大1Aになっているようです。
Teclast X98 Plus USBアダプターになにかのスマホに付いていたUSBケーブルを挿すと0.95Aしか出ませんでした。
急速充電用のUSBケーブルを使うと1.64A出ていたので、なかなか充電できない原因はUSBはケーブルにあるという可能性が高いのかもしれません。
どの充電器が効率よく急速充電できるか
このような結果になりました。
中華パッド純正のUSBアダプターは2.5A出るはずなのにそんなには出ないようです。
逆にNexus6のUSBアダプターは健闘して、書いてある数値以上の1.88Aも出ました。
USBアダプター(充電器) | 電流(最大) | 実測電流 |
---|---|---|
Nexus 6 | 1.6A | 1.88A |
Teclast X98 Plus | 2.5A | 1.64A |
Sony製 デジカメ | 1.5A | 1.63A |
Apple iPad | 2.1A | 1.41A |
BUFFALO BSIPA19 | 合計3.0A | 1.33A |
NTTドコモ HW01 | 1.0A | 1.16A |
1AまでのUSBケーブル使用 | 2.5A | 0.95A |
これはちょっと見ただけの数値で、本当は1日の平均値とかで計測しないといけないのであくまでも目安ですけど充電器とUSBケーブルの違いによって充電のされ方が全然違うというのが分かりました。
タブレットだとこういうことにも気を使わないといけないのはちょっとキツイです。
Quick ChargeはQualcomm社Snapdragonシリーズの急速充電技術
先日USB充電器でご指摘いただきQuick Chargeについて勉強不足で間違った情報を発信してしまったので、改めてここで勉強がてらメモしておきます。
Quick Chargeではありませんが、過去に急速充電できるケーブルと充電器の組み合わせで実験してます。合わせて参考にしてください。
以下も間違っている場合もあるかもしれませんのでご指摘いただけると幸いです。
Quick ChargeはQualcomm社Snapdragonシリーズの急速充電技術
Quick Chargeだから充電が速いとよく聞きますがただの急速充電ではなくQualcommのSnapdragonで対応しているスマホ・タブレットのみの技術です。まずはQuick Chargeそのものを勉強していきます。
Snapdragonとは?
クアルコム(Qualcomm)によるモバイルSoCシリーズのこと、多くのスマートフォンやタブレットに内蔵されているSoCですね。
現在はSnapdragon800シリーズの820がハイエンドスマホに搭載されています。(近々821搭載機も出るようですね。)
ミドルレンジモデルのスマホににSnapdragon600や400シリーズが搭載されています。
Snapdragon200シリーズはローエンドモデルです。
SoCとは何なのか
System-on-a-chip(SOC、SoC)は1つの半導体チップ上に必要とされる一連の機能(システム)を集積する集積回路の設計手法。具体的な製品としてはマイクロコントローラに特定の装置に特化した専用機能回路を混在させたものを指すことが多い。
CPUをはじめとしてGPUやモデム(LTE,3G,2G)などを一つのチップにしたもの。
Snapdragonの場合はその中にQuick Charge技術も含まれている場合もある。
Quick Chargeとは
通常のUSBは5Vで電流を上げると急速充電になる
A電流(アンペア)x V電圧(ボルト)= W電力(ワット)
- USB2.0:最大0.5A x 5V = 2.5W
- USB3.0:最大0.9A x 5V = 4.5W
- USB3.1:最大3A x 5V = 15W
USBの規格ではこうなってますがこちらはパソコンなどに付いているUSBポートのこと(だと思います。)
専用のUSB充電器とUSBケーブルでは2.5Aとか3Aとか出るのが普通にあるので充電専用のUSB充電器+ケーブルだと2A x 5V = 10Wなどの急速充電ができるわけです。
電流を上げると充電が早くなりますが、上げていくと発熱・発火の危険が高まるそうです。
Quick Chargeは電圧を上げて急速充電する
通常USBでは5Vの電圧のところスマホがQuick Chargeに対応しているか確認後電圧を9Vとか12Vに自動で変更して充電速度を上げる仕組みです。
スマートフォンには、充電回路からバッテリーの間に電圧を下げるための降圧回路が組み込まれており、バッテリーには4.2Vの電圧が供給されます。ここで、Quick Charge 2.0対応スマートフォンでは、ここで、5V→4.2Vだけでなく、9V→4.2Vの降圧にも対応しているのです。電圧を下げた分、多い電流に変換することができるので、結果的にバッテリーにはより多くの電流を流して充電させることができるようになったわけです。
ちなみに、Quick Charge 2.0対応充電器には専用チップが搭載されており、充電開始時には5Vの電圧で電流を流すと同時に、充電先のスマートフォンがQuick Charge 2.0に対応しているかどうか確認します。相手が対応機種であれば、あらためて9Vでの充電を開始するのです。
Quick Chargeの種類
Quick Chargeは1.0からあって、現在はQuick Charge2.0、Quick Charge3.0と3つあって、後方互換のようです。
- Quick Charge1.0:不明
- Quick Charge2.0:9V,12V(MicroUSBで最大24W=2A x 12V、Type-Cで最大36W=3A x 20V)
- QC1.0より40%急速充電
- Quick Charge3.0:3.6V~20V(Type-Cで最大60W=3A x 20V)
- QC1.0より75%急速充電
- 200mV単位で最適な電圧に自動切替
英語ですがこちらにイロイロ質問が書いてありました。
Quick Charge 2.0の対応SoCとスマホ
以下のSoCが対応しているようです。(LinkはQualcommのSoCページに飛びます。ページのChargingの項目にQuick Charge2.0などと書いてあります。)
- Qualcomm Snapdragon 820
- Qualcomm Snapdragon 810
- Qualcomm Snapdragon 808
- Qualcomm Snapdragon 805
- Qualcomm Snapdragon 801
- Qualcomm Snapdragon 615
- Qualcomm Snapdragon 400
上記のQualcommのサイトからQuick Carge2.0に対応したスマホを探すことができます。(こちら抜粋のようです。)
以下対応しているスマホをSoCごとに見ていきましょう。
Qualcomm Snapdragon 810のスマホ(抜粋)
Qualcomm Snapdragon 808のスマホ(抜粋)
自分も今持っているXiaomi Mi4SもQuick Charge 2.0対応でした。
Qualcomm Snapdragon 805のスマホ(抜粋)
Qualcomm Snapdragon 801のスマホ(抜粋)
Qualcomm Snapdragon 615のスマホ(抜粋)
Qualcomm Snapdragon 400のスマホ(抜粋)
Quick Charge 3.0の対応SoCとスマホ
スマホのSoCがQualcomm Snapdragon 820かQualcomm Snapdragon 617を搭載しているスマートフォンがQuick Carge3.0に対応しているようです。
普通に充電すると35分で20%しか充電完了しないのに、Quick Charg3.0は35分で80%の充電完了するようです。
後方互換なので同時にQuick Charge2.0にも対応しています。
- Qualcomm Snapdragon 820
- Qualcomm Snapdragon 650
- Qualcomm Snapdragon 625
- Qualcomm Snapdragon 617
- Qualcomm Snapdragon 430
上記のQualcommのサイトからQuick Carge3.0に対応したスマホを探すことができます。(こちらも抜粋のようです。)
Qualcomm Snapdragon 820のスマホ(抜粋)
自分も持ってるMi5も対応、もうでたXperia X PerformanceもQC3.0に対応してますね。
ご指摘いただきましたので訂正させていただきます。Quick Charge2.0までの対応でした。
Qualcomm Snapdragon 650のスマホ(抜粋)
Xiaomi Redmi Note 3 ProもQC3.0に対応しているようです。
Qualcomm Snapdragon 625・617のスマホはDBに無し
いまのところウチのデータベースには登録されていませんでした。
Qualcomm Snapdragon 430のスマホ
こちら最新のCPUなので1個しかありませんでした。
Quick Charge対応製品を買ってテストします
Quick Chargeのことは少し分かってきたので対応しているスマホでテストしてみます。
現在のところQuick Charge3.0に対応しているスマホは、
- Quick Charge2.0:小米 Xiaomi Mi4S
- Quick Charge3.0:小米 Xiaomi Mi5,Redmi note 3 Pro
なんだかシャオミばっかりです。
Quick ChargeのUSB充電器はあるのでQuick Charge対応のケーブルが届いたらどのくらいの早さで満充電できるか実験してみますね。
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