格安な3Dプリンターがかなり普及してきていて、安価に完璧ではありませんが満足いく完成度の立体物が自分で作れて日用雑貨を作ったり、工具や壊れたガジェットの部品を作ったりと男子(女子でも)だったら絶対に使えること間違いなしな初心者向け3Dプリンターを紹介します。
最初の3Dプリンターは安くて広く普及している、FDM(熱溶解積層)方式という、線条のフィラメント(素材はプラスチックの仲間 ABS/PLA樹脂など)を溶かして積み上げていく方式の家庭用3Dプリンターが一般的。

FDM(熱溶解積層)方式の3Dプリンターで価格が2万円を切るものから8万円ほどのおすすめ10選を紹介します。
約2年間3Dプリンターを使って生活が変わった!

自分も約2年ほど3Dプリンターを愛用してきているので、
ここで3Dプリンターとはどういうものか、
どんな時に使えるのかをまとめてみます。
ひらめいたアイデアをすぐに形にできるのが便利すぎ
たまに『こんなのがあったら便利だなぁ』とヒラメク時があって、それが販売されていない場合は3Dプリンターで作ることができます。
たいそうなヒラメキでなくても、日用雑貨で足りないものは3Dプリンターで作ることができるので100円ショップで余計な物を買わなくてもよくなります。
今まではレゴブロック↓でそれらしい形を作るのがせいぜいでしたが、3Dプリンターがあれば自由に自分の思ったものを作れるのが素晴らしく快感です。
特におすすめしたい人は自作好きな方、DIY好きな方は3Dプリンターは必須のアイテムになります。
フィラメントは年間約15巻使った
FDM方式3Dプリンターの素材のフィラメントは自分の場合ですが、調べてみると2019年16巻、2020年14巻買ってましたので、1巻2500円くらいと見ると15巻で年間37,500円使ってます。
フィラメントは直径1.75mmのFDM方式で採用されている太さで、安いのは1Kg(約330m)分巻いてあるロール。
週4日ほど3Dプリンターを使用して平均年15巻使っています。
3Dデータを作るのがうまい方やアイデアマンな方はどんどん作りたくなって、3Dプリンター本体の価格よりもフィラメントを消費料のほうが高くなりますので、最初からしっかりとした長持ちしそうな3Dプリンターを選びましょう。
3Dプリンターは騒音が出るので音に注意しよう
3Dプリンターは昼間は作動させても問題無いのですが、夜中動かすと騒音で近所から苦情が来そうなので、夜はなるべく動かさないようにしています。
ただ、16時間と時間がかかる造形物の場合はたまに夜中も動かしちゃいます・・・
部屋が狭いので騒音が気になる場合は、ケース(外装)がついている3Dプリンターを選ぶと多少防音になるので良いでしょう。もしくは静音性に気を使った製品もありますのでそちらを選びましょう。
もしくは音が気にならない倉庫や物置・クローゼット・寝室など、人が居ないところで動かしたほうが騒音が気になりません。
ケース付きだとABS樹脂の反りやすいフィラメントも安定して造形できますのでさらに便利です。

自分の3Dプリンター話はこのくらいにして、
まずは3Dプリンターの基本的知識から解説していきますね。
これから3Dプリンターを使ってモノを作ったり、作りたい立体物があるけど、どのプリンターを買えば良いのか迷っている方は基本知識からおすすめの3Dプリンターを紹介していきますので参考にしてくださると嬉しいです。
そもそも3Dプリンターとは?
基本:3Dプリンターとは?
3D(3次元)の3Dデータから立体物を作る造形装置で、3次元プリンタとも言われます。
紙(平面)に転写するプリンターは2Dプリンターで、材料を積み重ねて立体物を造形するのが3Dプリンターです。
立体物といっても、現在は完璧に製品に近い完成度高い立体物ができるとは限らず、完成度は低めの立体物ができるので、あまり期待しないようにしましょう。

特に家庭用FDM(熱溶解積層)方式3Dプリンターは本体が安価な反面、それほど精度が高い立体物はできません。
家庭用FDM(熱溶解積層)方式3Dプリンターは積層痕が目立つ
3Dプリンターは積み重ねて積層にして立体物を作っていくので、積層痕(せきそうこん)という横のスジができるのも特徴ですが、造形方法によっては積層痕が無い(目立たない)方法もあります。
これから紹介する家庭用のFDM(熱溶解積層)方式の3Dプリンターはバッチリ積層痕が出ますので、完成品にするには紙やすりや溶剤などで仕上げをする必要があります。

問題になるのは模型やフィギュアなど、目で愛でるモノは仕上がりの美しさ重視ということで、FDM(熱溶解積層)方式ではなく光造形式の3Dプリンターをおすすめします。
家庭用の3Dプリンターは安価なものがたくさん
家庭用の3Dプリンターは2万円切り~10万円弱くらいの製品が主流で、業務用となると10万円以上~数百万円のものまであります。
家庭用のFDM(熱溶解積層法)方式と光造形式の3Dプリンターは以下のような価格帯になっています。
- FDM(熱溶解積層法):1万円~9万円程度
- 光造形:1万円~10万円程度
現在は2万円を切るくらいの価格で販売されている商品もあるので、3Dプリンターに興味がある方は安価な本体を買って試してみることをオススメします。
3Dプリンターの造形方式
造形方法は様々
3Dプリンターの造形方法は業務用になると多種多様の方法がありますが、家庭用で一般的な造形方法は、FDM(熱溶解積層)方式・光造形式の2種類です。

初心者向けはやはり安価なFDM(熱溶解積層)方式を選ぶことをオススメします。
家庭用3Dプリンターの造形方式は2種類
造形方法も業務用になると多様でコストもかかる反面、造形物の完成度が高く、家庭用の場合はFDM(熱溶解積層法)方式と、紫外線照射して造形する光造形式の2種類が普及しています。
- FDM(熱溶解積層法):プラ(ABS/TPU樹脂)を溶かして積み上げて造形する
- 光造形:UVレジンに紫外線をあてて立体物を積み上げて造形する
FDM(熱溶解積層法)方式の3Dプリンター
フィラメント(ABSやTPU樹脂などのプラスチック)と呼ばれる線条のロールを溶かして立体物を造形する方式。
初心者の方にFDM(熱溶解積層法)方式の3Dプリンターをおすすめする理由は以下の2点です。
- 熱に気をつければ比較的安全に・簡単に立体物を造形できる
- 3Dプリンター・フィラメントが安価で家庭用に最適

3Dプリンターが初めての方は、FDM(熱溶解積層法)方式の3Dプリンターを試してみるのが正解。
材料のフィラメントも安いし3Dプリンター本体も安いので始めやすいのも特徴。
光造形式の3Dプリンター
UV(紫外線)で硬化するUVレジンをトレーに浸して紫外線をあてて積層にして立体物を造形する方式。
光造形式は、FDM方式よりもかなり完成度が高い立体物ができるので、観賞用・フィギュア・模型を作りたい方に向いています。
3Dプリンター本体はFDM(熱溶解積層法)と同じくらいの価格ですが、材料のUVレジンがFDM方式のフィラメントより高いのが一般的。
レジンによっては匂いがキツイものや有毒なものもありますので、換気や取り扱いに注意が必要です。

その点でFDM(熱溶解積層法)方式の場合は熱だけに気をつければ比較的扱いやすいので、初心者向きです。
業務用3Dプリンターは主に3種類
業務用の3Dプリンターもちょっとだけ紹介すると、一般的に普及しているものは3つの方式があります。
業務用は3Dプリンター本体も10万円以上の高額なものが多い反面、色・精度などの完成度が高いのでプロトタイプではなく、完成品としての活用されている場合が多いのも特徴。
方式 | インクジェット | 粉末燃結 | 粉末固着 |
---|---|---|---|
造形方法 | インクジェットから噴出した樹液を紫外線で固めて積層生成する。 | 粉末素材にレーザー光線をあてて粘結させる | 石膏などの粉末材料を敷きつめてヘッドから接着剤を吹き付けて固める |
メリット | 高解像度なカラー造形可能・高精度な作品 | 金属製・樹脂ので造形可能で高耐久・複雑な造形可能 | 速度が速い・フルカラー造形・コスト安い |
デメリット | 騒音大・アクリル系樹脂なので、耐久性が弱くもろい・日光に弱い | 材料の取り扱い注意・表面ザラザラ | もろく壊れやすい |
業務用はもっとたくさんの造形方法がありまして、中には家を作る3Dプリンターもあります。
動画の家は60万円ほどで24時間でできるようです。将来的に家は3Dプリンターで安価に自動で作れるようになるのかもしれませんね♪
3Dプリンターで立体物を造形する手順
3Dプリンター本体だけあれば立体物ができるのではなく、その前に3Dデータのファイルが必要になってきます。
3Dデータは主にパソコンの3DCadソフトで作ったり、世界中の方が作った3Dデータをダウンロードして利用することができます。

立体物の造形は、下のように4つのステップで制作します。
3Dプリンターが必要なステップは3つ目。
- 3Dデータ作成:PCやスマホで3Dデータを作る作業。ネットにある好みの3Dデータをダウンロードすることで省略できます。
- スライサーソフト:3Dデータを3Dプリンターが理解できるデータに変換・設定する作業
- 3Dプリンター:3Dデータから3Dプリンターで立体物を造形する作業
- 仕上げ・塗装:積層痕の凸凹を紙やすりやアセトンなどで取り除く作業(省略する場合が多い。)
1,2の3Dデータとスライサーソフトを使うまではパソコン・スマホで作業して、
3,の3Dプリンターで3Dデータをもとに実際に造形していきます。
4の仕上げは家庭で使う場合はフィギュアなどの見た目重視のモノで無い限りは省くことが多いです。
3Dプリンターのメリットとデメリット
ここで、初めての3Dプリンターを買う前に、自分が2年ほど3Dプリンターを使って感じたメリット・デメリットを紹介しておきます。
メリット
一番のメリットは自分だけのオリジナルな物体を作れるという喜びと、普段の生活で役立つものを気軽に作れるということ。
- 自分のアイデアを形にできる
- ものづくりを体験できる
- 3Dデータ
- 他の人が作ったデータをダウンロードしてプリントできる
- 自分で3Dデータを作ってオリジナルな立体物を作れる
デメリット
デメリットは以下のとおり、3Dプリンターはまだまだ完璧なガジェットではないので、ある程度はDIY精神が必要です。
- 複雑なオリジナル3Dデータ作成する場合は3DCadソフトをある程度操作できるようにならないと作れない
- キレイにプリントするには慣れと設定の経験が必要
- プリント範囲が10~30cm程度の製品が多いのであまり大きい造形物は作れない、もしくはジョイントする必要あり
- オリジナルな立体物を作るには3DCadなどで3Dデータを作らないといけない
- 単色:基本的にカラープリントはできない。
- 3Dプリンターは発展途上の機械なので、造形時に創意工夫する余地がある
自作・DIY好きには良いのですが、ボタン1つでガチャッっと立体物ができるわけではないので、作ることがあまり好きではない方には向かないのかもしれません。
3Dプリンターでどんなものが作れるの?
20~30cm以内(3Dプリンターの機種によって違う)の立体物の大きさの制約はありますが、アイデア次第でほとんどのものが家庭で作れるのが嬉しいところ。

3Dプリンターで作れるモノをいくつか紹介していきますね。
日用雑貨を作る
100円ショップに売っているプラスチック製品のほとんどが3Dプリンターで作れます。
スマホケースや、ちょっとした工具、スタンド、台、棚、ケース、箱など、あまり大きなモノが作れないのがネックですが、好きなものが作れるのが最高です。
タブレット・スマホ スタンド
3Dプリンターを買って最初に作ると便利なのはタブレットやスマホのスタンドです。
スタンドは簡単な構造なので自分で3Dデータを作るのも簡単にできます。

Thingiverseにも様々なスマホスタンドがありますので、参考にしたりそのまま3Dプリンターで出力して使うのも楽しいですね。

自分も自作のスタンドを作って愛用していますのでよかったら使ってやってください。↓

ドアストッパー
自分もドアストッパーを作ってみました。
こういう↑三角形型のドアストッパーだと、風が吹いたら外れてしまうので、↓このドアストッパーのように両サイドに外れないようにガードがあるドアストッパーを作りました。

山崎実業 ドアストッパーキューブ グレー
3Dデータは以下にありますので、よかったらお使いください。

3Dプリンターで出力したドアストッパーを1年ほど使っていますがドアをしっかり抑えてくれて外れないので便利。↓
ドアオープナーを買わないでも3Dプリンターがあれば作れます
コロナ禍でウイルスが付着していそうな扉やドア・エレベーターのボタンを素手で触りたく無い時はドアオープナーが活躍します。↓
市販のものでも数百円(上記は730円)ほどで買えますが、3Dプリンターがあれば自分で作れます。
3Dデータは↓誰かが作ってくれたものをダウンロードすればそのまま3Dプリントできますので、特に自分では作る必要はないのがかんたん。

もちろん自分でより便利なオリジナルなドアオープナーを3Dデータを作ってもオシャレで便利になりますね。その場合は元の3Dデータを少し改造して作れば簡単です。
3Dプリンターで作ったものを販売する
3Dプリンターで出力した立体物をハンドメイドとして販売している方も多数います。
ハンドメイド・手作り・クラフト作品の販売サイト↓に個人やプロが3Dプリンターで作った製品が販売されています。
こちらにもドアオープナーが多数販売されていますね。

3Dプリンターとオリジナルなアイデアがあれば爆発的に売れそうな気もします。
模型制作
プラモデル・模型を作ったり、模型の追加パーツを作ることができます。
鉄道模型や航空模型、アニメプラモが趣味の方は3Dプリンターを持っているとかなり夢が広がります。
私(GO)が作ったもの
自分は、↓ちょっと古いAnycubic I3 Megaを愛用しています。4万円を切る価格で必要十分な機能があってかなり使いやすいので新型にすることなく使っています。
秘密基地の壁パーツ
自分が勝手に秘密基地の壁と呼んでいる机の天板を壁にして棚を取り付けた際に3Dプリンターで以下の↓ようなジョイントパーツを作りました。

モバイルモニターやタブレットの設置にも3Dプリンターを使ってスタンドを自作しています。
詳細は以下のページを御覧ください。3Dプリンターで作るジョイントパーツの3Dデータは全て公開していますので参考にしてくださると喜びます。

モバイルモニターのベース
モニターアームにモバイルモニターを上下に配置するために、自作したスタンド。
以下のようにモバイルモニター6台を2つのモニターアームに上下に並べて設置しています。
中華モバイルモニター用の下部分の溝が厚めのスタンド↓

ベースとなるモバイルモニタースタンド↓

上下のスタンドをつなげるジョイント部分↓

その他にも日常で『ほしいなぁ』と思ったものはプラスチック製品だったら思い通りにほとんど作れるので、もうレゴブロックで立体を作って欲しいものを作る必要もなくなりました。
FDM方式3Dプリンターで使う素材(フィラメント)の種類
フィラメントは直径1.75mmが主流
たいていの家庭用FDM方式3Dプリンターのフィラメントは直径1.75mmの線で、2500円ほどで1Kg・約330Mほどのロールになっています。
PLAフィラメント
一般的に使われているフィラメントで、造形時の反りやトラブルが少なく安定したプリントが可能な反面、仕上がりが次の項目であげるABSよりは少し劣りますので、プロトタイプに最適。
PLAフィラメントは、ABSより脆い・熱に弱いのが特徴
ABSフィラメント
PLAより仕上がりが少し良いが、造形時に3Dプリンターの周辺温度に気を使う必要あり。
美しいつや消しの立体物ができますが、紫外線に弱い・可燃性ありなので屋外使用には向きません。
PLAフィラメントに慣れてきたらABSフィラメントに手を出すのが良いでしょう。
3Dプリンターの外装(ケース)が無いとプラットフォームの周辺温度変化が激しく、うまく造形できずに反ってプラットフォームから剥がれて宙に浮いて失敗してしまう場合があります。
ABSフィラメントを使う場合は3Dプリンターのケースを自作するか、ケースがある3Dプリンターを購入するのが手っ取り早いですね。
自分がABSフィラメントを使う場合は簡単にケースを自作して3Dプリンターを覆った状態で造形しています。
ABSとPLAフィラメントの違い
スマホスタンドで比べてみると↓あまり変わりはありませんが、ABSのほうがつや消しで少し美しい仕上がりになる。
PLAのほうはツヤがあって積層痕もツヤツヤして少し安っぽいプラスチックの印象。
画像だとちょっと違いが分かりずらくてスンマセン・・・ABSフィラメント(↓奥)PLAフィラメント(↓手前)
TPUフィラメント
TPUで作った立体物はゴムなので柔らかく精密機器やガジェットのケースを作るのに向いています。
柔らめのボールとか、カバーを作るときに使えますね。
TPUフィラメントでフードジャーのカバーを作ってみました↓
TPUフィラメントを使う時は、スライサーソフト(↓画面はCURA)で温度を少し高めにして、印刷速度を極端にゆっくりするとうまくプリントできました。
Anycubic I3 Megaの場合は以下のようにうするとうまく造形できています。
- 印刷温度:220度
- ビルドプレート温度:70度
- 印刷速度:15mm/s
- ビルドプレート密着タイプ:なし
その他のフィラメント
上に挙げた3つのフィラメント以外にも、たくさんの種類がありますので簡単に紹介します。
素材 | メリット | デメリット |
---|---|---|
PETG | 高衝撃・高応力部品・熱に強い・紫外線に強い・低反り | 糸引き |
PVB | 滑らか | 乾燥が必要 |
ナイロン | 高強度・耐熱性・耐摩耗・耐衝撃 | 吸湿性あり・価格高め炭素繊維充填ナイロン6500円ほど |
ASA | 紫外線・耐候性で野外使用可能でクルマの外装など・ABSよりも高い剛性 | 乾燥が必要 |
用途によってはこれらのフィラメントを使ったほうが良い場合もありますね。
FDM方式3Dプリンターの選び方
FDM方式の3Dプリンターを選ぶには以下を比較検討して選ぶと失敗しません。
価格は安いに越したことはないのですが、3万円程度のものがコスパも良く長く使えるものになるでしょう。
- ケース(外装)のあり・なし
- プラットフォームはガラス・シート
- オートキャリブレーション:初心者は安心
- 通信方法:USB・SDカード・Wi-Fi
- サポート:初心者にやさしい日本語サポートがあるかどうか
- 保証期間
- 価格
- その他の機能:停電印刷継続機能・フィラメント切れ検出・デュアル歯車押出機
3Dプリンターを選ぶ時に比較項目として参考にしてくださいね。
ケースありかケースなしか
ケースがある場合は、内部の温度が一定に保たれるのでABSフィラメントが造形しやすく失敗が少なくなります。
それと、ケースがあると防音性能もアップしますね。
対して、ケースが無い場合は音はダダ漏れで、周辺温度に敏感なABSフィラメントは反りやすくプラットフォームから剥がれて造形失敗する可能性が高くなります。
ケースあり | ケース無し |
![]() |
![]() |
使うフィラメントや騒音によって選ぶようにしましょう。
プラットフォームはガラスかシートか、どちらを選ぶ?
プラットフォーム(立体物ができるテーブル)はガラスかシートになります。
人によってはガラスが好きな方や、シートが好きな方がいるのでどちらが良いとは言えませんが、3Dプリンターを選ぶ時に比較してみましょう。
ガラス
ガラスはノリなど立体物が付着するものを付けてプリントして、終わったら濡れ雑巾などでノリを拭き取る。
プラットフォームのプリントエリアに↓このようなノリを付けてプリントすると造形物がしっかりとくっついてくれます。
シート
シートはガラスファイバー製で裏面にシールが貼ってあってプラットフォームにくっつけるタイプで、次第に破れたりするので定期的に交換する必要があります。
自分もガラスのプラットフォームの上に貼って使ってみましたが、立体物がかなり強力にくっついて剥がれにくかった、反面ABSフィラメントはしっかりとくっつくという印象。
オートキャリブレーションがあると初心者でも安心
プラットフォームのレベル(水平)を自動的に調節してくれるオートキャリブレーションという機能のある3Dプリンターがあります。
初心者の場合はこれは非常に助かる機能です。
ただ、ヘッダとプラットフォームの間を紙一重(かみひとえ)に設定する必要があるため、最終的には手動で微調整する必要があります。
一度調整すると3Dプリンターや調整を動かさない限り調節する必要が無いので、慣れてくればオートキャリブレーション機能は必要無いと思います。
その他の機能
こちらはあっても無くても良い機能ですが、トラブルが起きた時に助かる機能です。
- 停電印刷継続機能:プリント時に停電や電源オフでも電源を入れ直したら途中から復旧する機能
- フィラメント切れ検出:フィラメントが途中で切れた場合にアラートを出して一時停止する機能
- デュアル歯車押出機構:フィラメントの押出が強く目詰まりしにくくなる機構
特にフィラメントの目詰まりは厄介なので、デュアル歯車押出機構はあったほうが便利かな?
自分の場合は目詰まりがおきてフィラメントが固まって押し出せず・抜けず状態の場合は、ホットエンドを240度ほどに温めてフィラメントを抜いたり押し出したりして取り除きます。
詰まったフィラメントは塊になっているので、フィラメントをいったん抜いて、塊の部分をカットしてから再度セットするとうまくプリントできるようになります。
FDM方式3Dプリンター おすすめ 10選
説明が長くなってしまいましたので、FDM方式の3Dプリンターおすすめ10選を紹介します。
10位から順に紹介していきますね。このページの最後には横に並べてスペック比較できるようにしてありますのでそちらもご覧ください。
進化版 金属製 高精度 小型 家庭用 ミニ3Dプリンター
ビルドサイズ | 100×150×150mm |
---|---|
オートキャリブレーション | ☓ |
プラットフォーム | シート |
積層ピッチ | 0.05~0.2mm |
静音性 | 60dB |
スライサーソフト | 独自スライサーソフトLABSLICER |
通信 | MicroSDカード・USB |
サポート | 日本語マニュアル |
サイズ | 280×265×250mm |
重量 | 1.9Kg |
その他 | – |
初心者・子供向けの高コスパ3Dプリンターの進化版
激安13,000円ほどで買える3Dプリンターで子供へのプレゼント・知育に最適。
フォラメントはPLA・TPUが使えて、太さは一般的な直径1.75mmを使用。
海外通販Banggoodでは、Easythreed K1として販売(価格・送料込で約11,000円)されています。
ダヴィンチ1.0 proブラック
ビルドサイズ | 200×200×200mm |
---|---|
オートキャリブレーション | ○ |
プラットフォーム | シート |
積層ピッチ | 0.02~0.4mm |
静音性 | – |
スライサーソフト | XYZmaker Suite |
通信 | Wi-Fi・USB2.0 |
サポート | 国内サービス |
サイズ | 47×56×51cm |
重量 | 23Kg |
その他 | 無料保証期間 本体1年間・電動部3ヶ月、3Dデータ作成ソフトXYZmaker無料DL可能 |
家庭用3Dプリンターとしては高額な部類だが上級者・企業でも満足のロングセラーモデル
国内シェアナンバーワンのXYZプリンティングで人気モデル、企業にプロトタイプとして、上級者にはABSフィラメントで製品として使える一台。
組み立て済の完成品ですぐに使い初められます。
ハイスペックモデルととらえるとかなり安い価格設定になっています。
別売りオプションのレーザーモジュール装着でレーザー刻印機能を拡張可。
3Dプリンターダヴィンチmini w+
ビルドサイズ | 150×150×150mm |
---|---|
オートキャリブレーション | ○ |
プラットフォーム | シート |
積層ピッチ | 0.1~0.4mm |
静音性 | – |
スライサーソフト | FlashPrint |
通信 | Wi-Fi |
サポート | 国内サービス |
サイズ | 39×34×36cm |
重量 | 7.7Kg |
その他 | – |
【初心者向け日本語サポート充実】オートキャリブレーション付きでロングセラーベーシックモデル
XYZプリンティング社の人気モデル。
学校や企業でも多数使われているので、初心者でも安心して使い初められます。
チュートリアルビデオ・サポートも日本語で充実しているので、サポート重視の方には最適。
ANYCUBIC Chiron
ビルドサイズ | 400×400×450mm |
---|---|
オートキャリブレーション | ○ |
プラットフォーム | ガラス |
積層ピッチ | 0.05~0.3mm |
静音性 | – |
スライサーソフト | CURA |
通信 | SDカード・USB |
サポート | 国内サービス |
サイズ | 651×612×450mm |
重量 | – |
その他 | – |
大型の造形物を作りたい場合に適した3Dプリンター
幅・奥ゆき40cm X 高さ45cmもの大きな造形物を作れるので、大きい物を作る機会が多い方におすすめ。
オートキャリブレーション・ TFTタッチパネル搭載・切断時アラートしてくれるフィラメントセンサー・停電継続プリントの標準機能搭載。
TRONXY X5SA
ビルドサイズ | 330×330×4000mm |
---|---|
オートキャリブレーション | ○ |
プラットフォーム | シート |
積層ピッチ | 0.1~0.4mm |
静音性 | – |
スライサーソフト | CURA |
通信 | SDカード・USB |
サポート | 国内サービス |
サイズ | 580×645×640mm |
重量 | 14.6Kg |
その他 | 1年間の保証 |
オートキャリブレーション搭載で33cmの大きい造形物が作れるのに約2万円の価格が嬉しい
幅33cm高さ40cmの比較的大きな立体物が作れるのが特徴。
さらにオートキャリブレーション付きなので、組み立てできる方はかなりコスパに優れている3Dプリンターです。
この製品は組み立てが必要なので、DIYに自信がある方が挑戦しましょう。
ダヴィンチnano w
ビルドサイズ | 150×150×150mm |
---|---|
オートキャリブレーション | ○ |
プラットフォーム | シート |
積層ピッチ | 0.1~0.4mm |
静音性 | – |
スライサーソフト | XYZmaker Suite |
通信 | Wi-Fi |
サポート | 国内サービス |
サイズ | 28×38×36cm |
重量 | 4.7Kg |
その他 | – |
初心者向けのコンパクトボディ・国内シェアトップのXYZプリンティング、安心の国内サポート
小型・軽量なので初心者にも使いやすく置き場所にも困らない。
ケースが付いているのでABSフィラメントも失敗が少なく、子供が使っても扉を開けなければ事故になりにくく安心。
オートキャリブレーション機能搭載で手間なし、ソフトも3Dデータ・スライサーもできるXYZmaker Suiteをダウンロードして使えます。
LABISTS 3Dプリンター
ビルドサイズ | 220×220×250mm |
---|---|
オートキャリブレーション | ○ |
プラットフォーム | ガラス |
積層ピッチ | 0.1~0.3mm |
静音性 | – |
スライサーソフト | CURA |
通信 | MicroSD・USB |
サポート | – |
サイズ | 340×440×480mm |
重量 | 7.2Kg |
その他 | 12ヶ月保証 |
標準機能搭載で価格安めで人気のLABISTS 3Dプリンター
2.8インチのカラー液晶タッチパネルで簡単設定
ガラスホットベッド・オートキャリブレーション・停電印刷継続機能・フィラメント切れ検出・デュアル歯車押出機 のFDM3Dプリンターの標準的機能搭載機。
Anycubic 4MAX pro 2.0
ビルドサイズ | 270×210×190mm |
---|---|
オートキャリブレーション | ☓ |
プラットフォーム | ガラス |
積層ピッチ | 0.1~0.4mm |
静音性 | ケース・TMC2208 ステッパードライバー搭載 |
スライサーソフト | CURA |
通信 | USB・SDカード |
サポート | 国内サービス |
サイズ | 39×34×36cm |
重量 | 7.7Kg |
その他 | – |
【ABSで完成品を作る】Anycubicの最新アップグレード3Dプリンター 海外通販Banggoodで購入可能
ケースがあることで、反りやすいABSフィラメントも安定した温度で立体物を生成可能なので完成品を作るのに適しています。
空冷ファンもアップグレードされて350W電源搭載で一定の温度を保つように管理されています。
上部に3.5インチタッチスクリーン搭載、プラットフォームはガラスで長く使えて立体物も剥がしやすい。
フィラメントのつまりが少なくなるようにデュアルギア押出し
内部にLEDライトも搭載されていてプリント状況が見やすくなっています。
最新版なので日本ではまだ販売されていません。海外通販Banggoodで購入可能。
ANYCUBIC MEGA-S
ビルドサイズ | 210×210×205mm |
---|---|
オートキャリブレーション | ☓ |
プラットフォーム | ガラス |
積層ピッチ | 0.05~0.3mm |
静音性 | – |
スライサーソフト | CURA |
通信 | USB・SDカード |
サポート | 英語の技術者と日本語サポート |
サイズ | 405×410×453mm |
重量 | – |
その他 | 1年保証 |
初心者に最適なとっつきやすくベーシックな3Dプリンター
TITANエクストルーダー採用で押出機がアップグレード
停電時印に継続印刷機能あり、ANYCUBIC開発のUltrabaseプラットフォームに特許取得済の微穴性複合コーティングを採用。
私(GO)の使っているAnycubic I3 Megaのアップグレード版、癖のない3Dプリンターで初心者でもとっつきやすい機体です。
組み立てはプラットフォームとフレームをはめ込んでネジ止め、ケーブルを差すだけ。
Creality Ender 3 Pro
ビルドサイズ | 220×220×250mm |
---|---|
オートキャリブレーション | ☓ |
プラットフォーム | シート |
積層ピッチ | 0.1~0.4mm |
静音性 | 特許技術V形プーリス:低騒音・耐摩耗 |
スライサーソフト | CURA |
通信 | USB・USBメモリ |
サポート | – |
サイズ | – |
重量 | – |
その他 | 1年保証付き |
ベストセラーEnder-3 Xのアップグレード版 Ender 3 Pro
3万円前後の価格で標準的な中華3Dプリンター
プラットフォームは磁気ソフトシートで、立体物造形中の停電復旧機能
MK-8押出機の構造は、目詰まりや漏出のリスクを低減
アップグレード箇所はY軸レールの幅が広くなったことと、MeanWell社製の電源採用、ビルドシートに磁気採用。
FDM方式3Dプリンター 比較 まとめ
FDM方式3Dプリンターで作れるもの
- プラ製の日用雑貨
- 工具・治具
- 模型のパーツ・ガジェットのパーツ
- 自分が欲しいと思ったモノ
FDM方式3Dプリンターのメリット
- 自分のアイデアを形にできる
- ものづくりを体験できる
- 3Dデータ
- 他の人が作ったデータをダウンロードしてプリントできる
- 自分で3Dデータを作ってオリジナルな立体物を作れる
FDM方式3Dプリンターのデメリット
- 複雑なオリジナル3Dデータ作成する場合は3DCadソフトをある程度操作できるようにならないと作れない
- キレイにプリントするには慣れと設定の経験が必要
- プリント範囲が10~30cm程度の製品が多いのであまり大きい造形物は作れない、もしくはジョイントする必要あり
- オリジナルな立体物を作るには3DCadなどで3Dデータを作らないといけない
- 単色:基本的にカラープリントはできない。
- 3Dプリンターは発展途上の機械なので、造形時に創意工夫する余地がある
FDM方式3Dプリンターで使う素材(フィラメント)の種類
フィラメントは直径1.75mmが主流で1Kgのロールで約2500円前後で販売されています。
FDM方式3Dプリンターで使う主なフィラメント2つをまとめてみます。
- PLAフィラメント:一般的に使われているフィラメントで、造形時の反りやトラブルが少なく安定したプリントが可能。ABSより脆い・熱に弱いのが特徴
- ABSフィラメント:PLAより仕上がりが良いが、造形時に3Dプリンターの周辺温度に気を使う必要あり。紫外線に弱い・可燃性あり
FDM方式3Dプリンターの比較のポイント
- ケース(外装)のあり・なし
- プラットフォームはガラス・シート・シート
- オートキャリブレーション:初心者は安心
- 通信方法:USB・SDカード・Wi-Fi
- サポート:初心者にやさしい日本語サポートがあるかどうか
- 保証期間
- 価格
- その他の機能:停電印刷継続機能・フィラメント切れ検出・デュアル歯車押出機
以下のリストで比較してみてくださいね。
FDM方式3Dプリンター仕様比較
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商品名 | Creality Ender 3 Pro | ANYCUBIC MEGA-S | Anycubic 4MAX pro 2.0 | LABISTS 3Dプリンター | ダヴィンチnano w | TRONXY X5SA | ANYCUBIC Chiron | 3Dプリンターダヴィンチmini w+ | ダヴィンチ1.0 proブラック | 進化版 金属製 高精度 小型 家庭用 ミニ3Dプリンター |
特徴 | ベストセラーEnder-3 Xのアップグレード版 Ender 3 Pro | 初心者に最適なとっつきやすくベーシックな3Dプリンター | 【ABSで完成品を作る】Anycubicの最新アップグレード3Dプリンター 海外通販Banggoodで購入可能 | 標準機能搭載で価格安めで人気のLABISTS 3Dプリンター | 初心者向けのコンパクトボディ・国内シェアトップのXYZプリンティング、安心の国内サポート | オートキャリブレーション搭載で33cmの大きい造形物が作れるのに約2万円の価格が嬉しい | 大型の造形物を作りたい場合に適した3Dプリンター | 【初心者向け日本語サポート充実】オートキャリブレーション付きでロングセラーベーシックモデル | 家庭用3Dプリンターとしては高額な部類だが上級者・企業でも満足のロングセラーモデル | 初心者・子供向けの高コスパ3Dプリンターの進化版 |
ブランド | Comgrow | ANYCUBIC | Anycubic | LABISTS | XYZプリンティング | TRONXY | ANYCUBIC | XYZプリンティング | XYZプリンティングジャパン | S SMAUTOP |
価格 | 約30,000円前後 | 約34,000円前後 | 約60,000円前後 | 約27,000円前後 | 約28,000円前後 | 約20,000円前後 | 約55,000円前後 | 約38,000円前後 | 約83,000円前後 | 約13,000円前後 |
ビルドサイズ | 220×220×250mm | 210×210×205mm | 270×210×190mm | 220×220×250mm | 150×150×150mm | 330×330×4000mm | 400×400×450mm | 150×150×150mm | 200×200×200mm | 100×150×150mm |
オートキャリブレーション | ☓ | ☓ | ☓ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ☓ |
プラットフォーム | シート | ガラス | ガラス | ガラス | シート | シート | ガラス | シート | シート | シート |
積層ピッチ | 0.1~0.4mm | 0.05~0.3mm | 0.1~0.4mm | 0.1~0.3mm | 0.1~0.4mm | 0.1~0.4mm | 0.05~0.3mm | 0.1~0.4mm | 0.02~0.4mm | 0.05~0.2mm |
静音性 | 特許技術V形プーリス:低騒音・耐摩耗 | – | ケース・TMC2208 ステッパードライバー搭載 | – | – | – | – | – | – | 60dB |
スライサーソフト | CURA | CURA | CURA | CURA | XYZmaker Suite | CURA | CURA | FlashPrint | XYZmaker Suite | 独自スライサーソフトLABSLICER |
通信 | USB・USBメモリ | USB・SDカード | USB・SDカード | MicroSD・USB | Wi-Fi | SDカード・USB | SDカード・USB | Wi-Fi | Wi-Fi・USB2.0 | MicroSDカード・USB |
サポート | – | 英語の技術者と日本語サポート | 国内サービス | – | 国内サービス | 国内サービス | 国内サービス | 国内サービス | 国内サービス | 日本語マニュアル |
サイズ | – | 405×410×453mm | 39×34×36cm | 340×440×480mm | 28×38×36cm | 580×645×640mm | 651×612×450mm | 39×34×36cm | 47×56×51cm | 280×265×250mm |
重量 | – | – | 7.7Kg | 7.2Kg | 4.7Kg | 14.6Kg | – | 7.7Kg | 23Kg | 1.9Kg |
その他 | 1年保証付き | 1年保証 | – | 12ヶ月保証 | – | 1年間の保証 | – | – | 無料保証期間 本体1年間・電動部3ヶ月、3Dデータ作成ソフトXYZmaker無料DL可能 | – |
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長々とFDM方式3Dプリンターの説明を読んでいいただいてありがとうございますm(_ _)m
3Dプリンター購入の参考にしてくださると嬉しい限りです。
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